よく勘違いされる「在留資格の変更」や「在留期間の更新」について説明していきたいと思います。
①「在留資格の変更」について
②「在留期間の更新」について
また、外国人の在留管理をしているのは、法務省及び出入国在留管理庁となります。
旅券(パスポート)に写真のようなシールが貼られます。
在外公館つまり海外にある日本大使館や総領事館等は外務省の出先機関となります。
①「在留資格の変更」について
日本に外国人の人が長期的に住むには、ビザを付与されていることが必要です。
どのようなビザが付与されるかは当然ですが、人によって異なります。
運転免許でいうところの、普通自動車が運転できるのか、中型自動車が運転できるのか、大型自動車が運転できるのか、普通自動二輪車が運転できるのか、大型自動二輪車が運転できるのか等は人によって違うのと同じです。
在留資格変更が必要か否かの具体例
例えば、日本人と結婚した外国人Aがいたとします。
そもそもこの外国人Aは日本に留学して、日本の大学を卒業し、日本企業で働いていました。
この場合、考えられるビザは「技術・人文知識・国際業務」、「高度専門職」等でしょう。
日本に滞在するのに許可されている活動は、簡単に言うと、専門的な技術・知識を活かした業務内容での就労となります。
この外国人Aは、日本人と結婚した場合、結婚した後も仕事は続ける予定です。
では、Aが日本に居続けるためにはビザの変更は必要となるでしょうか?
答えは、NOつまりビザの変更は不要です。
厳密に言うなら、この事例では、変更してもしなくてもよい、ということになります。
結婚した外国人のビザで予定されているは「日本人の配偶者等」です。
しかし、外国人Aは結婚した後も今までと同じ職場で働くつもりです。
就労という面から見ると、職場、業務内容に何ら変更がないのであれば、そのままでもよいです。
ただ、結婚したということに着目すれば、本人の希望により「日本人の配偶者等」に変更しても差し支えありません。
余談ですが、「永住者」の申請を近く予定しているのであれば、変更しないほうが良い場合もありますので、ビザ専門の行政書士にご相談ください。
ここでのポイントは、現在のビザの許可内容の基本的なことに変更が生じているのか?というところでしょう。
つまり、結婚をしたからといって、今までの勤務先が変わるわけでもなく、業務内容が変わるわけでもない、ということであれば、現在のビザでも何ら問題ないわけです。
しかし、結婚によって、仕事を退職したり、職務の内容が現在のビザの許可内容では対応できない場合はビザを変更する必要があるでしょう。
つまり、就労のためのビザを許可されて日本にいるのに、退職して専業主婦(主夫)になったり、現在のビザで対応できない就労したいというのでは、許可されている前提が崩れてしまっているので、「日本人の配偶者等」へビザ変更が必要という事です。
他によくある変更が必要となる具体例
●留学生が就職が決まった場合
「留学」➡「技術・人文知識・国際業務」等の就労ビザ
●留学生が就職内定が在学中に取れなかった
「留学」➡「特定活動(就職活動)」
●留学生が在学中には就職内定取れなったが第二新卒として内定が取れた
「特定活動(就職活動)」➡「特定活動(待機)」
●サラリーマンから経営者へ転職
「技術・人文知識・国際業務」等の就労ビザ➡「経営管理」
●日本人や永住者の配偶者と離婚や死別した
「日本人(永住者)の配偶者等」➡就労ビザあるいは「定住者」
●短期滞在者が結婚手続が完了したので、そのまま配偶者として日本にいたい
「短期滞在」➡「日本人の配偶者等」
●今まで就労していたが退職して、日本人等と結婚した
就労ビザ➡「日本人の配偶者等」
他にもたくさんあります。
在留資格の変更はいつしたらよいのか?
現在のビザの許可内容の基本的なことに変更が生じているのか?ということがポイントになると上述しました。
現在もっている在留カードの有効期限はいつでしょうか?
この有効期限は、あくまで現在の状態を維持していた場合に認められているものになります。
つまり、変更しなければならない状況なのに、変更していない場合、出入国管理及び難民認定法に拠ると、ビザの取消の対象となります。
一般的には、ビザは身分系と呼ばれるものと地位・活動系と呼ばれるものに分かれます。
身分系については、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」「永住者」の4つとなります。
地位・活動系は「技術・人文知識・国際業務」「留学」「高度専門職」「経営管理」「技能」「家族滞在」など、身分系の4つ以外が当たります。
そのため、「短期滞在」から在留資格変更許可申請が必ずできるわけではありません。
変更申請はできないのが原則です。
つまり、結婚手続が完了したからという場合、「短期滞在」から「日本人(永住者)の配偶者等」への変更申請ができるでしょう。
就労系のビザの場合は、「短期滞在」から直接の変更はできません。
在留期限まで残りの時間がある状態であっても
身分系のビザに関しては、変更すべき事情が発生した時から6か月以内
地位・活動系のビザに関しては、変更すべき事情が発生した時から3か月以内
に変更申請をしないとビザの取消となる可能性があります。
ということで、上記期間内には何かしらの手続が必要になりますので、放置しないようにしてください。
在留カードの有効期限まだあるから大丈夫と安心しないでください。
状況の変化が生じたという事は出入国管理局(いわゆる入管)への何かしらの届出が必要であったりします。
放置しているということは必要な届出もしていないという人が当事務所にご相談に来られる人でも多いです。
例えば、日本人とかと離婚してしまった場合は、配偶者に関する届出というものを出すことが義務となっています。
就労ビザの人も同じで、会社を辞めたり、転職したら、届出が必要となっています。
必要な届出をしていない状態だと、当然のことながら、在留資格変更許可申請をしたとしても許可はされません。
離婚や死別、会社の退職や転職などをしたら、なるべく早くビザ専門の行政書士に相談しましょう。
当事務所にご相談していただいてももちろん大丈夫です!
②「在留期間の更新」について
在留カードの有効期限が迫ってくると、そのまま日本で生活したい場合は、在留期間更新が必要となります。
申請の受付は、在留期限のおおよそ3か月前からです(その時期に日本から出国してしまう予定がある場合は入管にご相談ください。)。
手続は在留期間更新申請でも単純更新とはかぎらない!?
単純更新とは、現在のビザで何も状況が変わっていない、つまり、配偶者が同じだったり、職場や勤務先が同じだったりという場合をいいます。
その場合は、もちろん個人により差はありますが、最小限の提出書類で審査が終わるかと思われます。
●例えば、現在の「日本人の配偶者等」ビザで、日本人Aと結婚している外国人が、日本人Aと離婚して、別の日本人Bと再婚していた場合はどうでしょうか?
この場合、手続は「在留期間更新許可申請」となります。
これは、外国人から見ると、再婚した外国人が日本人の配偶者であるという身分には変わりがないからということになります。
しかし、その外国人の日本人配偶者はAからBに変わっています。
これは結構な変化で、申請としては期間更新ですが、実質的には新規同様の審査となり、単純更新とはならないです。
更新申請の際は新規申請と同じレベルでの書類提出が必要になるでしょう。
この場合、次の更新時期までにできる手続としては、配偶者に関する届出だけとなり、離婚してから14日以内に行うことが義務となっています。
実際には、この届出を知らないという人が多くて、やっていないということも散見されます。
14日を越えていたとしても、必ず届出はしましょう。
これは必ずやっておくことが必要な手続なので、届出をせずに、更新申請をしてしまうと不許可になりますので注意しましょう。
●転職した場合も同様で、業務内容が同じであっても勤務する会社が違うというのは大きな違いです。
転職の場合は、次の更新時期までにできる手続としては、会社を辞めて別の会社へ移っているので、所属機関に関する届出が必要になります。
また、「就労資格証明書交付申請」があります。
これは、次の転職先での就労も問題ないと入管に審査してもらう手続きになります。
この手続は、任意のもので、やらなくてもいいですが、やっておいたほうが安心という手続になります。
審査としては新規審査と同様となりますので、就労資格証明書が交付された場合、次の更新時はこの証明書があるので、単純更新と同様に扱われ、比較的簡易な審査で終わるのではないかと思います。
上記の就労資格証明書を取得せずに、更新時期になった場合は新規同様の審査となりますので、提出書類や審査期間も新規同様となることが予想されます。
転職をして、就労資格証明書を取得せず(任意の手続なので)に、新しい勤務先で就労し、更新時期が来て、更新申請したが不許可となった場合、不許可の理由にも拠りますが、不許可理由が就労先が不適切であったことが主な理由だとすると、転職から更新申請までの期間の就労はどのような評価になるのでしょうか?
この点、転職から更新不許可までの新勤務先での就労は、厳密には不法就労ということになります。
しかし、就労ビザを取れる外国人が行った就労の内容にも拠りますが、その外国人の逮捕や身柄の収容等をされることはほとんどされないでしょう。
在留期間の更新はいつしたらよいのか?
●在留期限の3か月前から受付されます。
実際には、申請の準備期間が掛かりますので、申請しようと思っている日から1か月~2か月程度前であれば、必要な書類を集めたり、申請書類を作成したりと余裕を持って準備できるかと思います。
●在留期限が、2022年10月31日(月曜日)までの場合、申請はいつまでできるのでしょうか?(こんな期限がギリギリな申請はおすすめできませんが・・・)
この場合、窓口での受付は2022年10月31日までとなります(16時までしか入管には入れませんので、注意しましょう。)
仮に、2022年10月30日(日曜日)までの人の場合は翌開庁日まで受付ということになっていますので、この場合も2022年10月31日(月曜日)まで受付されるということになります。
●在留期限を申請せずに過ぎてしまった場合はどうなるでしょう?
この場合は、入管に出頭して、どうしたらよいか?指示を仰ぐのがいいでしょう。
在留期限日から2か月までは各部門窓口での相談となるようです。
各部門窓口では申請期限を経過してしまった理由等(天災・事故・疾病等外国人の責任と言えるのか否か)の聞き取りがあります。
警備部門が退去強制手続を執らないとしたときは、現在のビザから「短期滞在」に変更を許可し、「短期滞在」から希望するビザへの申請をして審査となります。
2か月を越えると不法滞在者が出頭する6階にある警備部門への出頭申告となるようです。
●申請を、在留期限までに受理してもらった場合、その翌日からはどうなるのでしょう?不法滞在(オーバーステイ)にはならない!?
変更や更新申請が受理されると、在留カードの裏に「申請中」と記載されます。
そのため、在留期限の日から審査結果が出る日または2か月までは、合法的に在留でき(オーバーステイにはなりません)、これを入管法上は「特例期間」といいます。
ただし、申請した更新申請が不許可となると、「特定活動(出国準備)」ビザに切替えられることが多いです。
多くは在留期間が30日または31日と思います。
この場合に再申請するには、申請書類一式を作成して、入管の各審査部門窓口での事前相談が必要になります。
事前相談の結果、再申請を受理してくれるという場合は「特例期間」の対象にはなりませんが、実務運用上は審査結果が出るまで不法滞在(オーバーステイ)にはならないでしょう。
●現在のビザが「短期滞在」ビザの場合の期間更新はできるのでしょうか?
「短期滞在」ビザは、短期間、日本にいるためのビザですから、短期間で用事が済んだら本国に帰国するのが原則です。
他のビザのように長期間での日本に滞在を制度上予定していません。
そのため、「短期滞在」の更新は原則としてはできません。
更新するためには、更新が必要な特別な事情が必要です。
つまり、人道上の真にやむを得ない事情またはこれに相当するような特別な事情というのもが必要ということです。
また、入国日から合計して180日を越えるようなことも基本的にはできません。
査証免除国(6か月)の人 査証を取得して「短期滞在(90日)」で許可されている人 |
更新許可される可能性があります |
査証免除国(3か月)の人で査証を取得してない人 | 更新できない可能性が高いです |
査証を取得して「短期滞在(30日・15日)」で許可されている人 | 更新できない可能性が高いです |
出国準備を理由とする場合の人 | 更新できない可能性が高いです |
その他 | 状況に拠りますが、客観的に見て、やむを得ない場合に限る |
●永住許可申請をしている場合は在留期間の更新は必要なのでしょうか?
この場合は、期間更新は必要となります。
永住の申請は期間更新の代わりにはなりません。
もし、永住申請をしていて、在留期限までに、永住申請の結果が出ておらず、期間更新申請をしなかった場合は不法滞在となります。
そのため、現在のビザは失効しますし、当然ながら永住申請も不許可となります。
-相談料は無料です。お気軽にご相談・ご依頼のご連絡お待ちしています。ー
行政書士はまべ法務事務所では、ビザに関するご相談を随時無料でお受けしています。
自分でビザ申請して不許可になってしまった等のお困りごとやビザ申請に関する心配・不安がございまいしたら、お気軽に下記の電話・メールよりご連絡下さい。
ビザ専門の当事務所はあなたのビザ取得を全力でサポートいたします。
↓↓当事務所へのご連絡はコチラをクリック↓↓